【Report】Service Design Network Japan Conference 2016(後編)

2016年1月23日、Service Design Japan Conference 2016が開催された。 3回目となる今回は「日本でのサービスデザインの進化−Evolution of Service Design in Japan−」というテーマのもと、米Adaptive Path社のJamin Hegeman氏の講演をはじめ、グローバルに議論されているサービスデザインのトピック、また国内各社のサービスデザインの事例共有やパネルディスカッションなど、充実した内容のプログラムとなった。 本レポートにて、各プログラムの内容をダイジェストでご紹介する。

【基調講演/サービスデザイン・ラボのジャーニー】

山口 博志(大日本印刷株式会社 サービスデザイン・ラボ 部長)



サービスデザイン・ラボのジャーニー


サービスデザイン・ラボの山口博志氏より、Service Design Japan Chapterが誕生し、日本で初めてService Design Conferenceが行われた2013年から過去3年間の活動を振り返り、実践を通じて得た大きな「3つの学び」についてお話頂いた。




「サービスデザイン・ラボのビジョン」


世の中は未だ、さまざまなPainであふれており、それらの多くは「どうせ変わらない」というネガティブな常識が壁となっている。これらネガティブな常識をポジティブにシフトし「未来のあたりまえ」を共創し続けたいと考えてる。この根底にある「ポジティブシフト」のビジョンとサービスデザインの思想を軸にこれまで多種多様なクライアントと多くの共創を実践してきたとのこと。



「学び① 本気の参加型デザイン」


ある都市開発会社との共創プロジェクトで地域活性化を目的としたまちづくり計画創出プロジェクトを紹介頂いた。


クライアントから提示された課題をそのまま解決するのではなく、対象の地域で暮らす生活者や働く人々をデザイン活動のパートナーとして迎え、彼らが本当に欲しているアウトカムが何なのかを発掘することで、真の課題を再定義し進めて行った。本件では、街づくりの計画書を答申するところまでがプロジェクトスコープであったが、国の予算承認がおりるのを待つことなく、参加していた地域住民が出来るところから始めようと、主体的にアイデア実現に向けて動き出したとのこと。


この出来事から、デザインのプロセスに本気で参加した生活者は自ら世の中を変えようと動き出すという大きな学びを得たと言う。




「学び② 体験価値の見直し+ローカライズ」


次は某金融会社との取組事例。

従来のブランディングやデジタルマーケティングによる新規顧客獲得には限界を感じ始めており、自社ブランドの価値を生活者目線で再設計し、新たな付帯サービスの開発や獲得施策を立案していくプロジェクトを実施。


複数の部門を横断したプロジェクトチームによる取組みでは、言語や重視する指標が大きく異なる為、グラフィックファシリテーションによる繋がりの可視化が必須であるとのこと。



「学び③ デザインプロセスのデザイン」


3つ目は、自社の研究開発セクションとの共創プロジェクト。

企業のミッション・ステートメントと、研究開発セクションで取り組んでいる研究テーマが乖離してきたため、デザインプロセスを通じて事業と直結するビジョンと研究テーマを生み出すプロジェクトを実施したとのこと。


重要なポイントは、このプロジェクトを「定常化」させていくために、実務とのギャップを汲み取りながら共創プロセス自体のデザインに取り組んだことであり、結果、組織全体にイノベーションの波及効果を生み出したと言う。



「サービスデザインをする上での3つのコツ」


最後にマインドセットについて。プロジェクトを成功へと導くためには、3つのコツがあると言う。


1. プレイフル・シンキング

2. 共創

ヒエラルキーを作らない、相手を否定しない。
3.工夫し続けること

はじめに立てた計画通りに行くことはまず無い、その場で工夫していくことが重要である。


最後に、これからも「世の中をポジティブにするイノベーションを皆様とサービスデザインで行っていきたい」と締めくくった。


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【講演/サービスデザインによる企業改革とサービスデザナーのキャリア・スキル管理】工藤晶(日本アイ・ビー・エム株式会社)

 

IBMインタラクティブ・エクスペリエンス事業部長として、デザイナー、戦略コンサルタント、開発エンジニアといった多彩な人材からなるチームをリードする工藤晶氏より、IBMでのデザインにおける企業改革についてご紹介いただいた。

 


IBMにおけるデザインとは

 

工藤氏は最初に海外および国内でのいくつかのサービスデザイン事例について紹介したあと、現在のIBMはデザインに対して非常に大きな投資をしていることを解説した。米IBM2代目社長であるThomas J Watson Jrの「ビジネスをする上で、デザインは実用的かつ美的でなければならない。しかし、何より重要なのは、良いデザインは、人の役に立つことなのだ」という言葉を引用し、当時Thomas J Watson Jrを中心としてデザイン改革を行った歴史を紹介した。

 

また続けて、今現在のIBMにおけるデザイン改革は、女性初のCEOとなったGinni Romettyから始まっていることを解説した。またRometty社長は「もっとも重要な成長の鍵はクライアント・エクスペリエンスである」と語っており、現在のIBMがこのクライアント・エクスペリエンス=顧客体験の向上のためにデザインというものを非常に重要視していることを工藤氏は強調した。

 

これらを踏まえ、IBMに再度デザイン文化を呼び起こすための施策として、現在のIBMデザインのゼネラルマネージャーであるPhil Gilbertによって1,000人規模でデザイナーを雇い入れる方針が打ち出された。それは現在も進行中で、IBMデザインという組織の構築に向けて積極的に動いていることを工藤氏は説明した。

 

ではその中で、IBMデザインにおけるミッションとは何か。それは、IBMの中に「持続可能なデザイン文化を創る」ことであるという。では実際IBMはどのようにそれを達成しょうとしているのか。ここで工藤氏は「ヒト+場所+手法=成果」という図式を紹介した。

 

すなわち、ヒト=1,000人以上のデザイナーを指し、場所はクリエイティビティを刺激するようなワクワクする場所、そして実践的な手法、これらが足し合わさることで、市場において価値のある実際の成果が生み出されることを示すものである。

 

デジタル時代のイノベーションに必要な人材

 

まずここでのヒト、すなわちこれからのデジタル時代においてイノベーションを起こすために必要な専門家として、工藤氏は、デジタルストラテジスト、デザイナー、エンジニア、サイエンティストという4つの専門家を挙げた。このうちデザイナーに関しては、先述のように大規模な採用を進めている最中で、65%以上が大学からデザイン教育を受けた、若くてフレッシュな視点を持った人材を積極的に採用しているとのこと。そこには、研究者とペアになってもらうことで社内に刺激をもたらすことを狙いとしていることを工藤氏は解説した。

 


創造性を刺激するワクワクする場所

 

続いて工藤氏は、IBM Designの先述の式における「場所」について説明した。ここでの「場所」とは、そこに集まる人の創造性を刺激するようなワクワクするような場所のことを指しており、実際にIBMではStudioと称して、現在世界26拠点において、創造的なコラボレーションを狙いとした空間作りがなされている。

 

こういった場において様々なメンバーが協働するにあたり、「デザイン思考はデザイナーだけのものではない」という考えのもと、多くの人が共通言語を学ぶ場が必要だろうということで、IBMデザインでは教育プログラムについて非常に力を入れているという。

 

例えば、新卒やキャリア採用向けには実際のIBMデザイン思考を学ぶ場として3ヶ月間のデザインキャンプを実施したり、その他開発チーム向けやビジネスリーダー向けにも数多くのデザインキャンプを実施している。

 

 

 

「デザイン思考」に3つのコアプロセスを取り入れた「IBMデザイン思考」

 

続いて、先述の式における「手法」についての解説がなされた。近年問題解決の手法としてさまざまな場所で取り上げられるようになったデザイン思考という言葉だが、同様にIBMにおいても、製品開発やサービスエクスペリエンスの創造に優れたものとして扱っているという。しかし、「IBMデザイン思考」は、一般的に言われるデザイン思考とはやや観点が異なる。それは、デザインしたエクスペリエンスを市場に送り出すことは必ずしも適していない場合があることを考慮し、市場成果にフォーカスするための3つのコアプロセスを追加した手法である点である。

 

具体的には、アジャイル開発を意識したHills(目標の丘)、スポンサー・ユーザー、プレイバックというプロセスが組み込まれている。Hills(目標の丘)というのは、プロセスの途中に明示的に共通理解の場を設けることを指す。もともとIBMではIT企業であるため、ソフトウェアのアジャイル開発と非常に親和性が高い。その視点をデザイン思考に取り入れ、要求事項に対してスピーディにプロトタイピングできるフレームワークとして構築していることを工藤氏は解説した。

 

そういったメソッドによる実際の事例と某社でのサービスデザイナーの職能要件定義を行ったプロジェクト事例について紹介いただき、本講演を締めくくった。

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サービスは早く動く

 

 

 歌手のテイラー・スウィフトのブログは影響力が大きく、Apple Musicの試用期間中にアーティストへフィーが支払われない問題をショッキングで先進的な企業としては意外だ、という内容の記事がアップされた後にApple側からの回答として試用期間にフィーを支払うという内容の回答を得たことがあった。

 

 

 この件は1つのサービスの背骨が数時間で変わってしまったことを物語っている。サービスは早く動き、製品とは違うということの良い例だ。

 

 早く動くのはAppleだけではない。GEもリーンスタートアップのカンファレンスで講演し、小さく始めることに価値があると語っている。ディズニーもアジャイルなツールを使ってリーンスタートアップの価値を出している。さらには伝統的な組織である三菱UFJ銀行も15名のエンジニアがアプリを作り共有するという取り組みを行っている。

 


なぜ早く動かないといけないか?

 

 なぜ早く動かないといけないか…それはサービスの生み出すこの時代においてはそれが必要とされているのである。

 

 サービスにおいては競争はあれど参入障壁はない。小さいコーヒーショップでもBigデータを持っている。こんなことは15年前は考えられなかったことである。

 

 

 バイオ、宇宙(火星有人衛星)文化などの新しい分野にもサービスは入ってきている。NASAが「スペースX」を使う理由は安くて早いからであり、それもスタートアップ的な手法で行われている。

 

 顧客は新しいサービスを簡単にクリックで見つけることができ、試すことができ、提供することができる。気に入れば使うこともできる。

 

 古いトレーラーを再利用している人がいる。これは一人だけの動きでは無く、新しい時代の考え方そのものである。ものを作って売るという考え方は6070年代の古い考え方だ。


 研究開発に多額の資金をつぎ込んでいる企業と、スタートアップに資金をつぎ込んでいる企業、後者の方が革新的と言えるだろう。そんな革新的な企業はエンドユーザーに注目している。

 

 影や蟻の様にサービスプロバイダが集まる。金融の世界がそのような状態である。今は子供でも起業し実現できる環境にある。


 労働者が単に高い地位から目的を求めるような地位に移る傾向にある。過去30年のアメリカの雇用状況については、スタートアップ企業がそれを支えているという事実がある。大企業は雇用を作るよりむしろ破壊している。政府はスタートアップにこそ投資すべきだ。

 

 

 

どうやれば小さくなるか?

 

ではどうやれば小さくなるか? どうやってスタートアップの様に働けるか?

 

それにはユーザーを開発チームを分けていてはだめだ。ユーザーが何を望んでいるかを捉え、情報を集め、プロトタイプを作って試す。目隠しをしてでもそういう風にならないとだめだ。もちろん時間が掛かることもある。なのでアジャイルでなくてはならない。その点ではIBMのダブルダイアモンドも素晴らしい。

 

サービスがどうやって動いているかを調査したところ、ユニークさと関連性という2軸が重要であることが分かった。そうでないとユーザーに見向きもされない。ユニークで皆が望む物、例えば「dropbox」をみてみよう。これもしばらくしたら「蟻」がたかりだした。しばらくしたらユニークじゃなくなった。

 

 

会社としては、市場で新参者じゃないときにはリーンスタートアップとダブルダイアモンドが検討されうる。しかしダブルダイアモンド合理化はコンベアベルトみたいで鳥肌が立つ。結果、ダイヤモンドは一つになり、リーンスタートアップとして一つになる。反復を繰り返すプロセスを回すことができるようになる。

 

デザインのアジェンダはリソースをかなり必要とするものだが、25程度のメゾットがあることが分かった。メゾットを人に教えるというステップ。まずはリーダーに教える。誰もが「アジャイル」という中で、ビジネスという世界の中でスピードを出す。最速4日間のハッカソンも行ったりしている。

 

デザインサービスエージェントがクライアントと時間をかけて行うこともある。が、多くの部分はインハウスで行い、その場合は4日間。What You See What You Want

 

既存分野以外の分野にも適応は可能で、ペットショップ、小さな歯医者さんなどサービスデザインに依頼するとは思ってなかった顧客群が有り得る。

 

今まで接触してなかった顧客たちではく、大企業でも「小さくはじめる、早くやる」ということはもちろん有用だ。デザイン会社が対象としている大企業は僅かなので、結果的に大企業と仕事をすることになった。

 

昨年7月に会社を始めたが、今では50案件近くまで増えている。その多くは守秘義務で公開することはできないが、この50案件はとても示唆深い内容を含んでいる。日本でも資格認証を行っており、NPOとして続けるつもりは無い。利益を上げつつ持続性を持ちたいと思っている。

 


デザインエージェンシーに求められるもの

 

大企業が早く動くことは大切だが、ではデザインエージェンシーはどうだろう。昨今デザインエージェンシーが大きなコンサル会社に買収されている。一部にとっては良い動きでもあった。それはインパクトが大きくなったことだ。しかし、トレンドとして見るとデザイン会社が無くなってしまうのは今の時代にフィットしない。デザイン会社が考え方を変えなければけない。存在意義の模索をしなければならない。

 

 

その一つは新しいクライアントモデルを構築することである。案件獲得までに時間がかかるようじゃだめで、たくさんのプロトタイプを早く作ることがエンゲージに繋がる。一方、プロジェクトになると小さなアイデアはだめになりがちだ。小さな変化で上手に消費者のど真ん中を狙うなら、そこまでの資金は必要とならない。変化は早いので、提案書などに書かれていることはすぐに古くなってしまう。

 

他にもエスノグラフィはクライアントが実施できるプロセスとして回すことや、スタイルそのものを作ることなども重要だが、賃金が低くて良い人材が流出してしまうことは避けなくてはならない。

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【パネルディスカッション2】

(司会)

武山 政直(慶應義塾大学

(パネリスト)

山口 博志(大日本印刷株式会社

工藤 晶(日本アイ・ビー・エム株式会社

Tenny PinheiroService Design Sprints and Hivelab.co

 


サービスデザイン時代の組織のあり方

 

慶応義塾大学の武山氏を司会に、「サービスデザイン時代の組織のあり方」をテーマとしてパネルディスカッションが行われた。

まず武山氏が3名のスピーカー達に向けて「企業・組織」というキーワードについて、チーム作りの取り組みに対する具体的な課題・難しいところ・ハードルなどの意見を伺った。

 

 

 

企業・チーム・人材とサービスデザイン

 

まず、山口氏は成功体験を最初に共有すること、違うステークホルダーの人と自分たちの評価をどう擦り合わせていくのか、時間をどう与えてもらうかが重要だと語った。

 

武山氏はスタートアップと大企業とではスピードが異なるが、大企業でスピーディにやっていくためのヒントあるかと尋ねた。

 

Pinheiro氏は企業の大小はあまり関係なく、大きな企業の場合でもその案件の節目を見極めて短いサイクルを繰り返すことが重要だと答えた。

 

 

 

次に、武山氏はいろんな人材の能力を引き出していくための工夫はあるかと尋ねた。

山口氏はプロジェクトメンバー全員がパッションを持っているわけではないので、プロジェクトではサービスデザイン・ラボからアサインしてその人を中心メンバーに据えて、自分たちがまずパッションを持つこと、示すことが重要だと語った。

具体的には、最初の調査での発見フェーズなどで、本当に共感できるポイントを見つけることが必要だと答えた。

 

続いて工藤氏はIBMには2つの苦労があると言う。

ひとつ目に、コミュニケーションの苦労である。多種多様な人材が居る中で共通言語を作ってコミュニケーションしたがあまり効果がなく、一つのチームが同じ場所にいて「何気ない共感・共有。場を意識的に作ること」ことが重要だと語った。

ふたつ目に、デザインチームがIBM内であまり知られておらず、どのように活動を知ってもらい認めてもらうかの宣伝活動に苦労していると言う。

そもそもデザインによって正しい問題を解いたのか、ということを示すのが難しいし伝わりにくいのも課題であると語った。

 

Pinheiro氏も山口氏と同様に「共感」をつくり上げることの重要性を示した。さらに、デザインは人間中心だけではなくサービス指向であるべきと解いた。

製品はもはやサービスであり、消費者のジャーニーをつくるというとらえ方で考えて、これを組織の人・文化・教育として背骨とすべきだと語った。

 

 

 企業文化とサービスデザイン

 

武山氏から「サービスを中心としたデザインがなぜ重要なのか?それを組織にどう理解して貰うかのアプローチ」についてそれぞれのスピーカーに尋ねた。

 

山口氏は社内に対してもクライアントに対しても、ユニークさは必要だと言う。

関係性の中で記憶に残り感動を生むものが大事で差別化ポイントであり、その合意も最低限必要になってくると語った。

 

続いて工藤氏はエグゼクティブに向けたデザインキャンプなどを実施していると言う。

それに加えて製品・サービスが合わさって顧客がハッピーになるような事例を繰り返し言い続けること、口コミがかなり重要だと語った。

 山口氏も繰り返すことの重要性に共感し、さらに同じ事を話すにしても誰が喋るかも重要だと説いた。

 

 

Pinheiro氏は文化を育てることについて次のように語った。

組織は自らと顧客のことをよく知ること、プロセスを作ること、その結果を頻繁に示すことが重要であり。エグゼクティブ層は結果を知りたがるので、結果を段階的に示すこととその計画が重要だと語った。

 

 

 

それに対して武山氏はPinheiro氏のスピーチで語られていた「サービスブループリントにおけるフロントステージとバックステージに境界を引いてはいけない」という点について尋ねた。

 

Pinheiro氏は舞台裏でも決して招待を明かさないウォルト・ディズニーのミッキーマウスを良い例としたうえで、現代は裏も表もすべてが見えてしまい、フロントステージだけ見えている部分ではなくバックステージも見られているものと思わなければならないし、そこに明確な線引きをすべきではないと語った。

 

山口氏もPinheiro氏の考えに共感し、ブループリントの作成段階ではバックステージを「機能」と捉えてしまいがちですが、そうすべきではないと答えた。

続けてPinheiro氏はAppleのコンピューターのように中身も美しくなければいけないという考え方は非常にわかりやすいと語った。

 

サービスのバックエンドとフロントエンドに境界を引いていない企業がハイパフォーマンスを出しているとまとめた。

 

 

 スピーカーからのメッセージ

 

山口氏は「サービスデザインが多様な領域に使われているケースが増えているが、まだやれていない領域として、複数の事業会社が交えるケースがあるので、今まで手を組んでない人とやってみたい。」と語った。

 

工藤氏は「日本がデザインにおいて遅れているとは思ってない。裏地に凝るような日本らしさは何か独自にものとして活かせるのではないかと思っている。」と語った。

 

Pinheiro氏は工藤氏の言葉に同調するように「日本は文化的にアドバンテージがあると思う。日本はリーンカルチャー(無駄をしない)という文化がある。「自分のゴミは自分で持って帰る」という意識や考え方、配慮やシンプル思考がそれを作っている。新しい要素として、世界に提供できるものがある。」と語り、最後に力強く「日本からサービスデザインの輸出を!」と締めくくった。

 

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